理学療法評価

理学療法評価の中には認知機能と身体機能評価があります。

他には病理学評価などがありますので簡単に説明させてもらいます。

1)歩行評価

歩行速度、歩数、歩幅、歩容(歩き方)を評価して歩行を健常化するための課題を見つけて治療します。

例えば、歩行速度が1秒で1m歩ける方は横断歩道を渡る事が可能ですし、1秒で0.8m以下の歩行速度まで低下すれば転倒リスクは高くなります。

歩容にも片麻痺であれば歩行速度が早ければ良いというものでもありません。揃え型で歩く場合は杖や脚の横幅を広く保つことが安定性に繋がります。

歩き方の分析をすることで必要な練習を提供していきます。

2)筋力評価

MMTと呼ばれる0~5の6段階で筋力を評価します。

5(Normal):運動範囲全体に渡って動かすことができ、最大の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。
4(Good):運動範囲全体に渡って動かすことができ、中等度〜強度の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。
3(Fair):運動範囲全体に渡って動かすことができるが、徒手抵抗には抗することができない。
2(Poor):重力の影響を除いた肢位でなら、運動範囲全体、または一部に渡って動かすことができる。
1(Trace):筋収縮が目に見える、または触知できるが、関節運動はおこらない。

もしくはダイナモメーターという機械で実数値で測る方法もあります。

この図では足を伸ばす筋肉の力を測定します。このように、あらゆる筋肉の力を測定することで、実際にどの程度筋力が変化したのかを目で見ることが出来ます。

3)関節可動域評価

ROMテストともいい、ゴニオメーターを用いて各関節の角度を測定するテストです。

4)疼痛評価

疼痛というのは痛みのことです。

痛みの種類や部位、程度などを評価することで痛みの原因を知り治療の参考にします。

例1)

痛みは2週間以上前から出てきて発赤や発熱、腫脹は無く痺れ感がある。絞れ感は肘から手先までの範囲に出現。

この場合は炎症は無く、肘から先の放散痛(神経痛)のため絞扼神経障害だと分かります。部位から肘部管症候群などが疑われます。

治療として炎症が無いので温熱療法や電気療法、ストレッチが選択されます。

例2)

痛みは3日前から生じており熱感や腫脹あり。打撲を起因とした炎症性疼痛だと分かります。

この場合は寒冷療法が選択されますので水で冷やしたりアイスクリッカーで治療します。

捻挫の場合はサポーターやテーピングが適応されます。

5)整形外科徒手テスト

これもある肢位を取ってもらったり、そこに抵抗を加えることで痛みの原因がどこの筋肉や神経、もしくは関節包にあるのかなどを評価する方法です。

疼痛テストと組み合わせることで治療方法を更に詳細に選択できます。

筋肉が原因の場合:ストレッチで対応(筋肉を伸ばす)
筋膜が原因:マニピュレーション(筋膜を柔らかくする)
関節が原因:モビライゼーション(関節の遊びを作る)
神経が原因:電気療法や温熱療法、挟まっている部分の可動域訓練

このように評価が正確であるほどに治療は専門性を増します。

6)認知機能テスト

これはHDS-RというテストやMMSEというテストがあります。このテストによって認知機能が低下しているかの指標になります。

7)中枢神経麻痺の評価

脳卒中などによる中枢神経麻痺の回復グレードの評価になります。このテストによって現状の麻痺の状態と今後の予後が分かります。

他にも様々な評価があり、その方の病歴や、疾患、現在の状態から様々な評価が可能です。

そのため、リタックをご利用の方は医療情報提供書(サマリー)などがあれば、様々な状況に対応できますので是非、ご利用に際しては医療情報の提供をお願いいたします。