高尿酸血症とは?
尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」と診断されます。この状態を放置していると発症するのが「痛風」です。
本来血液中に溶けた状態で存在している尿酸が結晶化してしまい、関節に沈着し、この尿酸の結晶が剥がれ落ちたときに炎症が起こり、「痛風」独特の激しい痛みや腫れにつながります。
結晶化した尿酸が剥がれ落ちる時に白血球が集まり炎症を起こします。
これが痛風の症状です。
尿酸と言えば痛風と思うのが一般的ですが、高尿決勝では関節以外にも血管などで結晶構造が出来てしまい、動脈硬化や血管の塞栓を引き起こしてしまうのです。
尿酸が高値となることで血管内や腎臓にも結晶を作っていくことが分かっています。
高尿酸血症によるリスクの上昇
尿酸と言えばプリン体を考える方が多いと思いますが、イメージではビールや肉ですよね?
しかし、意外にも食事由来のプリン体は2割程度で残りの8割は新陳代謝時に細胞で作られていきます。
そのため、体内の生成を減らすか排泄を促すことで尿酸値をコントロールすることが出来ます。
尿酸値を下げるお薦めの方法
①ゆっくりダイエット
急速に体重を落とそうとすると急激な運動や極端な食事制限になることが多いので、ゆっくり痩せていきます。イメージでは1カ月で1㎏程度が目安です。
また、体重が低下しなくなって横ばいになったら、一旦そこで体重を維持するように心がけましょう。
急激な運動は乳酸を作り出します。乳酸は尿酸の排泄を邪魔しますので運動は低負荷の有酸素運動を心がけましょう。
食事制限と組みわせることで運動だけ、食事だけよりも効果が大きくどちらも極端に無理することなく継続出来ます。
②お酒の飲み方を工夫しましょう
アルコールを分解するときに尿酸が作られるのでお酒の飲み過ぎは禁物です。
そこで重要なのはペース配分です。アルコールは酔いが回るまで30分程度かかるので、飲み初めにペースが速いと尿酸が増えてしまいます。
ゆっくり飲むことを心がけましょう。
③牛乳を飲みましょう
牛乳に含まれているカゼインプロテインは分解過程でアラニンという物質を作り出します。これは尿酸の排泄を助ける働きをしますので積極的に摂取しましょう。
高尿酸血症だと分かったら
まずは前述した内容を試してみて改善が図られないようであれば受診を勧めます。
高尿酸血症には尿酸を過剰に作るタイプと尿酸の排泄が弱いタイプがいます。
尿酸を過剰に作るタイプには尿酸生成抑制薬(尿酸が体の中でつくられるのを抑える薬)、尿酸の排泄が弱いタイプには尿酸排泄促進薬(尿酸を体の外へ出しやすくする薬)を処方するなど、患者さんの状態に応じて薬の選択を行います。
まとめ
適度な運動と無理のない食事制限で体重を適切な範囲に収めることと、水分摂取と牛乳を飲み、アルコールは適切な量をゆっくりと飲みましょう。