笑いと健康について
笑いと治療の関係を研究するきっかけとなったのは、治る見込みが500分の1ともいわれる難病を、笑いにおいて完治させたノーマン・カズンズ氏(アメリカ合衆国ニュージャージー州出身ジャーナリスト・作家)の逸話がきっかけとされています。
彼は49歳の時に硬直性脊椎炎と診断されました。さまざまな治療の経過を経て、彼は笑いやユーモアが副腎に作用し、免疫力に関係するのではないかと考え、友人の医師とともに笑い療法の研究を始めました。すると彼の体は、数か月後には社会復帰を果たせるまでに、容体が改善したのです。また、その後心筋梗塞となった際に、同じように笑い療法を実践し、手術を受けることなく病を完治させ、退院へとこぎつけました。
この笑いが実際に免疫力を向上させるのかを検証するために大阪大学と吉本新喜劇が共同で実験を行いました。
実験内容は20~62歳の男女19名(うち1名は技術的に測定不能)に、約3時間漫才や喜劇などで大いに笑う体験をさせ、直前と直後に採血し、ナチュラルキラー細胞の働きの度合い(NK活性)を調査しました。
直前の値が基準値(正常範囲)より低かった5人は、笑いの体験後に全員の値が上昇。
直前が基準値だった5人は、直後の検査で全員が範囲内でも特に高い数値を示しています。
直前の値が基準値より高かった8人は、全員が基準値以上をキープ。
結果的に、平均レベル以下の数値だった人は、笑いの体験によって軒並みNK活性が上昇し、その変化はがん治療に使われる免疫療法薬の投与による上昇速度より、はるかに速い結果となりました。
笑いの効果を紹介します
笑うと免疫力が高まるだけでなく、ほかにも体にさまざまな良い効果をもたらすことがわかっています。
(1)脳の働きが活性化
脳の海馬は、新しいことを学習するときに働く器官。笑うと活性化されて、記憶力がアップします。また、”笑い”によって脳波のなかでもアルファ波が増えて脳がリラックスするほか、意志や理性をつかさ
どる大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になります。笑うことで扁桃体という部位が活性するのですが、これは楽しいと好き、辛いとか嫌いという感情で情報を仕分けしています。
これにより楽しい・好きという感情に仕分けられると非常に記憶の定着が良くなります。
(2)血行促進
思いきり笑ったときの呼吸は、深呼吸や腹式呼吸と同じような状態。体内に酸素がたくさん取り込まれるため、血のめぐりがよくなって新陳代謝も活発になります。
(3)自律神経のバランスが整う
自律神経には、体を緊張モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両者のバランスが崩れると体調不良の原因となります。通常起きている間は交感神経が優位になっていますが、
笑うと交感神経が促進し、その後、急激に低下することにより、リラックス効果をもたらすので交感神経とのスイッチが頻繁に切り替わることになり、自律神経のバランスが整います。
(4)筋力アップ
笑っているときは心拍数や血圧が上がり、呼吸が活発となって酸素の消費量も増え、いわば”内臓の体操”の状態。静かに過ごすより笑っているほうが、カロリーの消費量が多くなります。さらに、大笑いす
るとお腹や頬が痛くなるように、腹筋、横隔膜、肋間筋、顔の表情筋などをよく動かすので、多少ながら筋力を鍛えることにもなります。
(5)幸福感と鎮痛作用
笑うと脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌されます。この物質は幸福感をもたらすほか、”ランナーズハイ”の要因ともいわれ、モルヒネの数倍の鎮静作用で痛みを軽減します。
NK細胞を元気にする 日ごろの心得7か条
NK細胞の働きを活発にしてがんやウイルスに強い体を保つには、日常でいくつかの心がけが必要。NK細胞はストレスによって弱まり、うつ状態ではかなり悪影響を受けてしまいます。まずは以下のことを心がけましょう。
1.毎日7~8時間の睡眠をとる
2.心身両面の過度なストレスや疲労を避ける
3.心配や不安、悲しみはなるべく短い時間で乗り越える
4.憂うつ感が長く続く場合は、早めに専門医に相談する
一方、NK細胞を強くするためには、楽しく笑うだけでなく以下のような方法がおすすめです。
■ 適度な運動を毎日、少なくとも週3回続ける
もっとも効果的な運動の目安は、毎日約30分を目安に、少し速いと思えるくらいのスピードでウォーキングを。過労となるほどの激しい運動は、かえってマイナスに。
■ 自分の好きなことを見つけて熱中する
たとえば、カラオケ好きな人が熱唱するとNK細胞が一気に活性化します。ところが、歌が苦手な人のNK活性は逆に弱まってしまったという実験結果も。好きなことに打ち込むときの集中力がカギとなります。
■ とくにおもしろいことがなくても、笑顔を心がける
NK細胞の働きが弱い人や基準値の人は、作り笑顔を続けた後にNK細胞が活性化するという実験結果が出ています。”表情はいつも笑顔で”が、免疫力アップに効果的です。
笑いヨガというものがあります。インド人医師Dr.マダン・カタリアという方が笑いは健康になると実証されているのだから運動と組み合わせて健康増進しようと考えて作ったのが始まりです。
笑うという事が非常に多くの健康的要因にかかわっていることが分かっています。リタックではお客様やスタッフが笑いあうような関係づくりを構築しています。
リハビリテーション(リハビリ)・トライアル(試行)・アナリシス(分析)・カンパニー(会社)(Re-TAC)の名前はまさに科学的なリハビリが背景なのですが、笑いもしっかりとした科学だと言えますのでリタックのサービスを楽しんでいただければ嬉しいです。
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