歩行速度が速くなることが在宅生活の継続に凄く大切です

歩行について

歩く速さで生活が変わる?

歩く速さはどんな事に影響しているのでしょうか?

実は人間は、速く歩くほど転倒しにくいことが分かっています。

自転車を想像してみて下さい。

ゆっくりペダルを漕ぐと左右にフラフラして速く漕ぐと安定しますよね?

これを『動的安定性』と言い速度によって安定性を得る方法です。

人間もゆっくり歩くほどにフラフラします。ためしにそーっと忍び足で歩いてみて下さい。凄くふらついて歩くのは難しいと思います。

逆に速く歩けない方は足の横幅を拡げてゆっくり歩きます。

このように体重を支持している面積である『支持基底面』を拡げることで安定性を高めることを『静的安定性』と言います。

杖をついて歩くのはこの支持基底面を大きくすることで安定性を高めているのです。

どのくらいの速さで歩けばいいの?

1) 10m歩行速度
これは10mの距離の歩行速度を計測します(通常は助走路として前後各3mを確保する)。通常は、普通の速度で歩いた時間と最大歩行速度の2つを評価します。その他のカットオフ値として屋内歩行24.6秒、屋外歩行として11.6秒、さらに通常高齢者1.0m/秒、屋外活動性の低い高齢者0.66m/秒などがあります。この数値は速い程に移動範囲が広がることも表しています。

早く歩けるほどに屋内移動から屋外移動に移行していきますので如何に早く歩くことが大切か分かりますね。

2) TUG(Timed UP and Go test)
椅子から立ち上がり、3m歩行し、方向転換後、3m歩行して戻り、椅子に座るまでの時間を計測します。その他のカットオフ値として、10秒以内は異常なし、20秒以内は屋内外出が可能、さらに8.5秒以上で転倒の可能性が高まるなどがあります。このテストは起立・着座と方向転換が入っているので、実際の在宅生活にもある廊下の曲がり角や椅子の起立と着座などのタイミングでも転倒しやすいのか安全に出来るかを評価できます。

3) 6分間歩行
これはスポーツ庁の新体力テストにも採用されている方法で、6分間でどれくらいの距離を歩けるかを計測するものです。

このテストでは実際に長時間の歩行を行うので今までの評価よりも更に正確に評価できます。また、心臓や呼吸器官の障害の程度もこれで評価することが出来ます。

4) タンデム歩行
片足の親指の先にもう一方の踵をつけて歩く、いわゆるつぎ足歩行です。
両腕を胸の前に組んだ状態でタンデム歩行(3.6m歩行)は、ふらつかず10歩可能が正常、7〜9歩が軽度障害、4〜6歩が中等度障害、3歩以下が重度障害と評価しています。

Perry J, 1995より引用改変

このように歩行速度を向上することは転倒しにくさだけでなく行動範囲を拡大していくうえで非常に重要です。

また早く歩くにしてもチョコチョコと歩数を増やすと転倒する危険性が増しますし疲れやすい歩き方になってしまいますので大股で歩くことが大切になります。

リタックのリハビリでは平行棒での大股歩きや応用歩行などがありますので大股歩行の練習も安全に行えます。

分からない事や疑問にあることがあればリハビリスタッフがいますので何でも聴いてください。

 

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